名古屋に行く(前編)
22日、土曜日。
まるで悪夢としか思えないような出来事があって、その後の飲みで少し悪酔いしてしまった。
23日、日曜日。
そのせいか、朝起きたらびっくりするぐらい現実感がなかった。
まだ酒に酔っているのか、と思ったが、気持ち悪さは全然ない。夢の続きを見ているような感じがするだけだ。
前日からつけっぱなしのテレビをそのままぼんやり見ていたが、映像が形をなさず、音は聞こえているけど断片的にしか意味を汲み取れなかった。
考えが次から次へと宙に散っていく。俺は死ぬのか、という恐怖すら持続できない。
朦朧とした意識のまま、起きたときの姿勢のまま30分ぐらいテレビを見て過ごしていたが、なんとか気持ちを奮い立たせて、とにかく飯を食おうと、ふわふわした感じのまま着替えて外に出た。
緩慢な動きで着替え、部屋から出て、そばぐらいしか胃に入りそうもねぇなぁ、とか考えてながらアパートを出たが、外の日差しを浴びたとたん、視界や意識がぼやけてきた。
これはヤバい、と思って、怖くなって弟に電話をした。
自分ののっぴきならない感じに、妙にリアルトーンで応対をしていた弟だが、いざ、会おうという話になったとたん、今洗濯してるんだよね、と微妙な突き放し方をされた。
しょうがなく、自分が弟の住む埼玉へ向かうことになり、だらだらと駅まで向かった。
電車の中でも、まだ現実感がなくて、暇つぶしに買った週刊新潮も全く頭に入ってこず、文字が通り過ぎるだけ。
ふわふわした感じのまま、なんとか弟の家の最寄り駅までたどり着いて、合流した。
車で迎えにきていた弟と少しドライブした。そのドライブ中に昨日遭った出来事を話した。
そのことについて、弟は慰めたり、アドバイスしたり。それで気持ちが落ち着いてきた。
話が一段落しだした頃、突然弟がこんなことを言い出した。
「あのさ、明日休み?」
「ああ、うん」
「だったらびっくりするぐらい遠く行ってみない?」
「ああ、いいね。・・・房総とか?」
「名古屋どうよ」
脳髄がしびれて、頭の中が真っ白になるのがわかったが、次の瞬間、いいね、と言っていた。
そんな訳で、そのまま高速に乗り、名古屋を目指した。
弟の軽自動車がうなりをあげて高速をひた走った。
車内ではひたすら駄話を繰り返し、その間に、現実感はだいぶ取り戻すことができた。
埼玉を2時ぐらいに出て、名古屋に着いたのは8時過ぎたころだった。
これが名古屋かぁ、とか感傷に浸る間もなく、到着したとたんに、エンジンから異音が轟きだした。
何か引きずっているんじゃないか? とか、弟がいろいろ調べていたのだけれど、結局原因が分からず、それでも異音が消えないので、ガソリンスタンドで車を見てもらうことにした。
ガソリンスタンドでは、車のエンジンルームからいよいよゴムのこげる嫌なにおいがしていた。
エンジンルームをいろいろ調べていた店員が、これエンジンのベルトの問題ですね、と我々に告げた。
さらに、うちでは直せませんね、ディーラーとか修理工場いかないと・・・、ととどめを刺してくる。
もうこれ以上はヤバい、ということになり、近くにあったパーキングに止めて、夜の名古屋観光を決め込むことにした。
そして今日の朝、ディーラーや整備工場に電話をかけまくり、車を見てくれるところを探し出し、いつ切れるかわからないベルトに戦々恐々としながら、なんとかディーラーに運び込むことができ、検査の結果を待つことにした。
午後になって、ディーラーから連絡が入り、修理には2日かかることが判明した。
さて、このエントリーのタイトルに「前編」と入っているのは、結局我々は今日新幹線で帰京し、また来週、名古屋に車を取りに行くことになったためであります。
Comments
三等兵は否定してるけど
やっぱり、バカ兄弟っぽいよ